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- この記事はこんな方に向けて書いています
- 「ダウンジャケットにカビが生えた!自力で取る方法はある?」
「クリーニングは高価なので、どうしても自分でカビ取りをしたい」
「再発させないようにカビ取りする方法は?」
ダウンジャケットは防寒性に優れたアウターとして人気がありますが、真冬のみ活躍するアウターなので、他のシーズンではしまいっぱなしになってしまいがち。
そのため、久しぶりに取り出すと「カビが生えていた!」なんてこともあるかもしれません。
こんにちは!「ダウンリユース」管理人のnomです。
アウトドアをきっかけにダウンウェアに興味を持ち、「日本繊維製品消費科学会」に入会、論文からダウンの情報を学んでいます。
コスパ系~高級ダウンまで、10着以上ダウンジャケットを購入し、日々ダウンの着こなしを楽しんでいます。
この記事では、ダウンジャケットのカビ取り方法をはじめ、カビをそもそも生えさせないための対策など、ダウンとカビについての悩みをまとめて解説します。
一部論文なども参考にしながら洗い方を解説しており、同じ方法でカビの効果的な除去が可能です。
ダウンのカビに悩んでいる方は、ぜひご覧になってみてください。
白カビならまだ取りやすいですが、黒カビは目立つ上にガンコ。
それぞれ洗い方を説明しますが、あまり洗いすぎると羽毛が傷むので、心配ならクリーニングに出すのがおすすめです。
染め直しや染み抜きも可。ダウンクリーニングの専門店
ダウンジャケットに生えたカビの取り方
ダウンジャケットにカビが生えちゃった!今すぐ取らないと!!
ダウンに生えるカビは2種類あります。
それぞれ対策方法が違いますから、ひとつずつ確認していきましょう。
ダウンのカビを取る前に確認しておくべきこと
ダウンジャケットのカビ取りを実践する前に、まず以下を確認しておきましょう。
- カビの種類は白カビか黒カビか。
- 黒カビがある場合は洗濯表記を確認する。
白カビは白いワタのようなカビ。
黒カビは黒い斑点のようなカビとなっています。
難易度的に言えば、白カビだと水を使う必要もなく、簡単です。
逆に黒カビは根元からカビを殺菌しなければならないため、しっかりと漂白・水洗いして除去します。
よって、黒カビがあることが分かったら、洗濯表記を確認しましょう。
漂白剤は温度が高いほど殺菌効果を発揮するので、40℃以上が目安です。
上記のような基本の洗濯表記に加え、漂白剤が使えるかどうかも確認します。
ダウンジャケットの漂白には塩素系ではなく酸素系を使うので、上2つどちらかの表記であればOKです。
白カビはブラシとアルコールでカビ取り
- ダウンの白カビを取るために準備するもの
- ▪ブラシ
▪アルコールスプレー
▪マスク
▪掃除用のゴム手袋
みかんに生えるような白カビがダウンに付着していた場合は、ブラシやアルコールスプレーでカビ取りをしていきます。
白カビは飛散しやすいので、カビ取りの際はマスクとゴム手袋を着用しておくとよいでしょう。
白カビ取りの手順
- 洋服ブラシで落ちやすいカビを落とす。
- アルコールスプレーを吹きかけてカビを殺菌。
- ブラッシングでアルコールをまんべんなく行き渡らせる。
- 陰干しして乾燥させる。
まずはブラシで、取れやすいカビを落としていきます。
ブラシは普通の洋服用ブラシでOK。
カビが舞っても平気なベランダなどで行いましょう。
次はアルコールスプレーを吹きかけ、ブラッシングしてアルコールを行き渡らせます。
カビ菌はアルコールによって殺菌できるので、この作業でほとんどのカビを死滅させることが可能です。
最後は、残った湿気を陰干しによって乾燥させます。
完全に乾けばお手入れは完了です。
黒カビは漂白剤でカビ取り
- ダウンの黒カビを取るために準備するもの
- ▪中性洗剤
▪酸素系漂白剤
▪付け置き用のタライ(バケツ)
▪45℃程度のお湯(洗濯表記によって変える)
黒カビは漂白剤を使って根元から殺菌していきます。
塩素系だと強すぎて生地の色まで落としてしまうため、酸素系漂白剤を使用しましょう。
黒カビ取りの手順
- タライに45℃程度のお湯を張る。
- 酸素系漂白剤を付け置き用の濃度でお湯に入れ、さらに中性洗剤を混ぜる。
- ダウンジャケットを洗濯液にひたして1時間つけおき。(浮いてくる場合は重石になるものを乗せる)
- ダウンジャケットをよくすすいで、陰干しまたは乾燥機で乾燥させる。
漂白剤に中性洗剤を混ぜることで、殺菌効果をさらに高めることが可能です。
この方法は、以下の論文を参考にしています。
洗剤の殺菌作用について、同温の温水の場合と比較した。表には示さなかったが、40℃では温水と同様に、洗剤を添加しても殺菌作用は全く認められなかった。しかし、(中略)45℃の水温では4種類すべてのカビで、洗剤を添加した方が、生存率に明らかな低下が見られた。(中略)洗剤は温水のカビ殺菌作用を助長することがわかった。
出典:濱田信夫 藤田忠雄 中村正樹.『洗濯によるカビ汚染の除去』.2002年
細かい洗濯方法については、以下の記事もご覧になってみてください。
注意!漂白剤はダウンを傷める
黒カビは根を深く張ってしまうため、漂白剤を使って強力に殺菌する必要があります。
しかし、漂白剤は羽毛を傷める可能性があるため、心配であればクリーニングをおすすめします。
高級ダウンであれば、ダウンを傷めにくいウェットクリーニングがおすすめです!
ウェットクリーニングでダウンを傷めない。ダウンクリーニング専門店
カビの原因は湿気。ダウンの素材にも注意しよう
カビの主な原因はダウンに残った水分や湿気。
さらにダウンジャケット内に汚れなどが残っていると、汚れを栄養にしてカビが一気に繁殖してしまいます。
また、素材の中でも天然素材はカビの栄養となりやすく、カビが発生しやすい環境です。
以下のような素材を使っているダウンジャケットは、よりカビに対して気を使う必要があります。
カビの生えやすい天然素材
- 皮革
- コットン
- 麻
- シルク
- ウール など
もちろん、ダウン(羽毛)も天然素材に含まれ、カビにとって栄養となりやすいので注意しましょう。
ダウンのカビを予防する方法
ダウンジャケットのカビを予防するには、カビの好む環境を整えないことが重要。
具体的には、温度・湿度・栄養の3つの環境です。
ダウンジャケットの保管時にはクローゼットにしまっておくところが多いと思いますが、特に夏場のクローゼットは温度・湿度ともにカビにとって絶好の環境となっています。
ダウンに汚れ(カビの栄養)が残ったままで夏を迎えると、みるみるカビが生えるおそれがあるよ。
よって、カビを予防するには、
- 保管する前に汚れを取っておく。
- ダウンを陰干ししてからしまう。
- 定期的にクローゼットを開放して空気の入れ替えをする(梅雨時期は特に気を付ける)。
- クローゼット内の掃除をする。
- クローゼット内の除湿をする。
などの対策をし、カビが発生する環境をつくらないように心がけましょう。
除湿グッズは、以下のようなクローゼットにかけておくだけのタイプが簡単でおすすめです。
ダウンジャケットを着用する際ですが、防水スプレーを振りかけておき、中のダウンまで水をしみ込ませないことも重要。
「ダウンジャケットに防水スプレーって大丈夫なの?」と思われるかもしれませんが、意外と大丈夫です。
詳しくは、以下の記事をご覧ください。
ダウンジャケットのカビ取りまとめ
カビは白カビか黒カビかによって除去の難易度が変わります。
もしカビを発見してしまったら、この記事で解説したように“白カビならアルコール、黒カビなら酸素系の漂白剤を”を使って殺菌しましょう。
長期保管時はダウンの汚れを落としてから、クローゼット内の環境を整えて保管するんだったね。
また、カビ対策でダウンジャケットをクリーニングに出す際は、ドライクリーニングよりもウェットクリーニングがおすすめです。
ドライクリーニングだと表面的にはきれいになりますが、根元からカビを除去できないためです。
対してウェットクリーニングではダウンを丸洗いするため、カビの菌糸を丸ごと除去することができます。
ウェットクリーニングとは、水洗いによるクリーニングのことです。
ドライのような強い薬品を使わないので、ダウンを傷めにくいというメリットがあります。
「クリーニングに出しているのにカビが生えてしまう…」ことに心当たりがある場合は、ウェットクリーニングができるクリーニング店にお願いしてみましょう。
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