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- この記事はこんな方に向けて書いています
- 「フィルパワーってなんとなく性能を表しているのはわかる。けどフィルパワーが高いとどう良いの?」
「最もフィルパワーの高いダウンは?」
「ダウンのフィルパワーを比較しながら見てみたい」
ダウンジャケットの性能を表す数値のひとつであるフィルパワー。
高いほうがいいと分かってはいても、はっきり「フィルパワーとはこうだ!」と説明するのは難しく思えます。
こんにちは!「ダウンリユース」管理人のnomです。
アウトドアをきっかけにダウンウェアに興味を持ち、「日本繊維製品消費科学会」に入会、論文からダウンの情報を学んでいます。
コスパ系~高級ダウンまで、10着以上ダウンジャケットを購入し、日々ダウンの着こなしを楽しんでいます。
今回は、基本的な「フィルパワーについて」の解説や、気温ごとに最適なフィルパワーの提案、各ブランドのフィルパワーを比較したり、といった記事を書きました。
フィルパワーについて理解できると同時に、自分に合ったフィルパワーの選び方もわかるページとなっています。
結論を言えば、フィルパワーとは、簡単に言うとダウンのふくらみの大きさのことです。
ダウンジャケットのフィルパワーで迷ったら、600~800の間で探すのがおすすめ。
タウンユースとしてなら、このくらいの数値だと機能性と価格のバランスが良いダウンが多いです。
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ダウンジャケットのフィルパワーとは、ダウンの“ふくらみ力”のこと
フィルパワーを英語にすると、Fill(満たす)+Power(力)。
ダウンジャケットの性能を表すために使われるフィルパワーとは、ダウンの“ふくらみ”の大きさを示す数値のことです。
フィルパワーを計測する際には、30gのダウンに一定荷重をかけた場合にどれくらいの“かさ”があるかで数値が決まります。
例えば500フィルパワーなら、30gのダウンに圧力をかけても、500立方インチに再びふくらむ、ということです。
出典:一般社団法人 日本繊維製品品質技術センター
ちなみにですが、ダウンとは、水鳥の羽毛の中でも深部にわずかに生えるボール状の羽のことを指します。
ダウンについて知りたい場合は、以下の記事でさらに詳しく解説しているので参考にしてください。
なんとなくわかったけど、フィルパワーが高いとどうなるの?
フィルパワーの大きいダウンであるほど、より軽く・暖かく・肌触りがよくなっていきます。
以下で、さらに詳しく見ていきましょう。
ここでは軽さについて説明していきます。
フィルパワーの高いダウンほど羽毛ひとつひとつが大きく、空気を多く含むことが可能です。
風船をイメージしてもらうとわかりやすいでしょう。
要するに、フィルパワーが高い羽毛ほど、大きな風船のように空気を取り込んでよくふくらむ、ということです。
ダウンジャケットをつくる場合には、羽毛を集めて一定の体積が必要です。
フィルパワーが高い羽毛だと、ダウンジャケットをつくるための羽毛量が少なくて済むため、軽くすることができます。
フィルパワーが高いとダウンジャケット内の空気の割合が多くなるので軽くなる、と言いかえても良いかもしれません。
ダウンジャケットのフィルパワーが高い=暖かい
同じ量のダウンで服を作った場合を比べると、フィルパワーの高いダウンほど暖かくなります。
そもそもですが、ダウンジャケットが暖かいのは、ダウンが空気を含んで断熱層をつくり、体温が放出されるのを防いでいるからです。
空気は熱伝導率が低く、ダウンジャケットが外気との間に空気の壁を作ることで、体温を逃がしません。
フィルパワー(ふくらみ)が大きいと空気を多く含むことができ、この断熱層がより厚くなるというわけです。
フィルパワーが保温の決め手なんだね。
その通りなんですが、フィルパワーがすべてというわけではありません。
大事なのは、ダウンのつくる空気層の厚さです。
フィルパワーと、使われているダウンの量で保温性が決まります。
いくらフィルパワーが高いダウンを使っていても、ダウンの量が少ないと保温性は劣ります。
「フィルパワー×ダウン量」が最終的な保温力の決め手となるのです。
例えばですが、
- 薄さ・軽さを重視した800フィルパワーのインナーダウン
- 600フィルパワーのダウンをたっぷり使用した、厚手のダウンジャケット
上の2つを比べてみると、1枚で暖かいのはおそらく後者。
フィルパワーの低いダウンを使っていても、暖かさだけなら量でカバーすることもできるということです。
変わりに重くもなりますが…。
つまり、ダウンジャケットにおいて、ダウンのフィルパワーに加えて、ジャケット自体の「厚み(ダウン量)」も暖かさを決める要素となります。
フィルパワーが高いダウンは価格も高い
フィルパワーが高いのはメリットばかりでなく、似たようなダウンでも高フィルパワーのものは価格が高くなります。
800以上のものともなると、貴重な高品質ダウンの中からさらに選りすぐりを使用しており、相応に高価格です。
こういう言い方をするとあまり良くないかもしれませんが、高フィルパワーのダウンはコスパがあまりよくありません。
自分としては、登山などスポーツ用ならまだしもタウンユースにおいてはフィルパワーにこだわり過ぎる必要もない、と考えています。
「高フィルパワー×ダウン量多め」なダウンジャケットは、比較的温暖な気候の日本において“オーバースペックだ”と言われることもあります。
気温とフィルパワーの目安
ダウンジャケットを選ぶときは、使いたいシチュエーションや気温に合わせましょう。
先ほど、ダウンウェアの暖かさを決めるのは、フィルパワーとダウン量という解説をさせてもらいました。
ダウンウェアのページを見ていても、実は細かいダウン量まではわからないので、ここでは、ダウンを「厚手と薄手」という区分で分け、気温を見ていきます。
- 厚め(アウター用)のダウンジャケットと丁度いい気温の目安
- 500~600フィルパワー…10 ℃前後
600~700フィルパワー…10℃~5℃
700フィルパワー以上 …5℃以下
- 薄めのダウンジャケット(インナーダウン)と丁度いい気温の目安
- 500~600フィルパワー…14~12℃前後
600~700フィルパワー…12℃~10℃
700フィルパワー以上 …10℃~5℃
大まかに分けているので、実際に当てはめてみると少し寒かったり、暑かったりするかもしれません。
参考程度にご覧いただけると幸いです。
寒がりな私基準の目線で決めています!
各ブランド、ダウンジャケットの最高フィルパワー比較表
現在発売されている中で最高のフィルパワーは、1000フィルパワーです。
1000フィルパワーのダウンジャケットを取り扱っている代表的なブランドは、mont-bell、Marmot、Arc’teryxなど。
以下では、各ブランドが発売しているダウンジャケットの中から、最もフィルパワーの高いダウンを集めて表にしています。
商品画像 | ブランド名 | 商品名 | フィルパワー | 参考価格(2023年2月時点) | 商品リンク |
mont-bell | プラズマ1000 ダウンジャケット | 1000 | ¥27,940 | 詳細を見る | |
Marmot | ダウンパーカー ポケッタブル | 1000 | ¥30,000 | 詳細を見る | |
Arc’teryx | セリウム SV フーディ | 1000 | ¥71,500 | 詳細を見る | |
karrimor | ultra feather jkt | 1000 | ¥39,600 | 詳細を見る | |
MAMMUT | Meron IN Hooded Jacket AF | 900 | ¥61,600 | 詳細を見る | |
THE NORTH FACE | アルパインヌプシフーディ | 900 | ¥63,800 | 詳細を見る | |
NANGA | MOUNTAIN LODGE DOWN JACKET | 860 | ¥36,300 | 詳細を見る | |
ZANTER | JP ORIGINAL DOWN (ARE MODEL) | 800 | ¥110,000 | 詳細を見る | |
patagonia | ダウン・セーター・フーディ | 800 | ¥41,800 | 詳細を見る |
ユニクロダウンのフィルパワーは750
ウルトラライトダウンジャケット(3Dカット・ワイドキルト)
もはやダウンの定番ブランドのひとつとなったユニクロ。
そんなユニクロの発売している「ウルトラライトダウンジャケット」のフィルパワーは750です。
アウトドアブランドというわけでもないのに、この数値はかなり高いと言えます。
どのくらいかというと、寒冷地でもなければ、真冬に重ね着しなくても耐えられそうなレベル。
ダウン量もそれなりに多くて厚手ですし、アウトドアシーンにも使えるジャケットとなっています。
タウンユースなら600フィルパワーのダウンジャケットで十分
ここまで、フィルパワーについてや、フィルパワーのメリットについて紹介してきました。
しかし、個人の意見としては、タウンユース用では、高フィルパワーのみを重視してダウンジャケットを選ぶことは合理的ではないと考えています。
フィルパワーって高ければ高いほどいいんじゃないの?
高フィルパワーのメリットである、軽さ・コンパクトさ・薄さなどは、タウンユースにはほとんど関係がありません。
900を超えるような高いフィルパワーのダウンジャケットは価格も高く、登山などスポーツ用を目的として開発されているものがほとんどです。
フィルパワーの高いダウンジャケットのデメリット
- 軽さや透湿性を重視した結果シェルの素材が薄くなり、普段着としては耐久性に劣る
- 機能性のみを追求しているため、デザインがシンプルかつ価格が高い
- 日本の平地ではオーバースペックすぎる保温力
ファッショナブルで暖かい、の2点さえクリアできれば、おしゃれ着のダウンジャケットとしては十分。
フィルパワーにこだわり過ぎても、自分に合ったダウンには出会えない可能性があります。
タウンユースとして機能性と価格のバランスに優れるのは、600~800フィルパワーのあたり。
このあたりのフィルパワーだと、街に着ていくようなデザインの優れたダウンが見つかるでしょう。
実際に、管理人がたまに着るウールリッチ“アークティックパーカ”のフィルパワーは650。
一部ハイスペックなものと比べると高くはありません。しかしそれで十分なのです。
住んでいるところは関西で、寒冷地というわけでもありませんが、フィルパワー650でも、日本のタウンユースなら十分すぎるほどに暖かく感じます。むしろ歩いていると暑いです。
フィルパワーが高くなくても、たっぷりダウンを使っていればそれだけで暖かいって、さっき説明してたね!
このジャケットは10万円程度で購入しましたが、これが仮に1000フィルパワーのダウンを使っているものだとしたら、価格は倍以上になっているでしょう。
この見出しのまとめ
高フィルパワーの特徴である、軽さ・コンパクトさ・高い保温性などの特徴はタウンユースシーンでは活かしきれないばかりか、高価格やデザインのシンプルさなどがネックとなる。
インナーダウンはフィルパワーのメリットが大きい
インナーダウンなら、タウンユースのシチュエーションでも、高フィルパワーの特徴である軽さやコンパクトさ・高い保温性が活かされると考えられます。
多少デザインがシンプルでも、インナー用として使うなら気になりにくいでしょう。
フィルパワーの高いインナーダウンのメリット
- 薄く・ゴワつかず、アウターのシルエットを崩さない
- コンパクトにしまえるので、気候に合わせて持ち運びしやすい
- 薄い・コンパクトという特徴がありながらも高い保温性をもつ
- 高フィルパワー・高機能性ダウンはデザインがシンプルだが、インナーなら気にならない
以下の表では、各ブランドが発売しているインナーダウンの、フィルパワーと価格を男女別にまとめました。
インナーとして使いやすいように、今回の表ではベストのみ記載しています。
ダウン選びの参考にしてみてください。
男性用インナーダウンのフィルパワーと参考価格まとめ
商品画像 | ブランド名 | 商品名 | フィルパワー | 参考価格(2023年2月時点) | 商品リンク |
ユニクロ | ウルトラライトダウンベスト | 750 | ¥4,990 | 詳細を見る | |
しまむら | キルトレスインナーダウンベスト | 700 | ¥2,700 | 詳細を見る | |
無印良品 | 再生ナイロン軽量ノーカラーダウンベスト | 750 | ¥4,990 | 詳細を見る | |
アークテリクス | セリウム ベスト | 850 | ¥35,200 | 詳細を見る | |
パタゴニア | ダウンセーターベスト | 800 | ¥29,700 | 詳細を見る | |
L.L.Bean | ウルトラライト850ダウンベスト | 850 | ¥23,100 | 詳細を見る | |
TAION | インナーダウンベスト | 650 | ¥4,290 | 詳細を見る | |
モンベル | プラズマ1000ダウンベスト | 1000 | ¥21,780 | 詳細を見る | |
MAMMUT | Seon IN Vest AF | 750 | ¥26,400 | 詳細を見る |
女性用インナーダウンのフィルパワーと参考価格まとめ
商品画像 | ブランド名 | 商品名 | フィルパワー | 参考価格(2023年2月時点) | 商品リンク |
ユニクロ | ウルトラライトダウンベスト | 750 | ¥4,990 | 詳細を見る | |
しまむら | プレミアムダウン ダウンベスト | 700 | ¥2,700 | 詳細を見る | |
無印良品 | 再生ナイロン軽量ノーカラーダウンベスト | 750 | ¥4,990 | 詳細を見る | |
パタゴニア | ダウンセーターベスト | 800 | ¥29,700 | 詳細を見る | |
L.L.Bean | バウンドレス・ダウン・パファー・ベスト | 650 | ¥19,800 | 詳細を見る | |
TAION | インナーダウンベスト | 650 | ¥4,290 | 詳細を見る | |
モンベル | プラズマ1000ダウンベスト | 1000 | ¥21,230 | 詳細を見る |
ダウンジャケットのフィルパワーまとめ
フィルパワーについてのおさらい
- フィルパワーはダウンのふくらみを数値化したもの。
- フィルパワーが高いほど、軽さ・コンパクトさ・暖かさの点でメリットがある。
- しかし、価格も高くなる。
- 高フィルパワーのダウンジャケットはスポーツ用に開発されており、タウンユースにおいてはオーバースペック気味。
- 一方で、タウンユースであっても、「インナーダウン」はフィルパワーで選ぶのも良い。
高フィルパワーのダウンはメリットも大きいですが、価格が高いなどのデメリットも存在します。
900以上などの高品質なものは主に登山などを想定されて作られているものが多く、タウンユースには合わないことも。
低フィルパワーのダウンでも、厚手でしっかりとしていれば、それで十分暖かいと感じられます。
シチュエーションや気温に合わせて、ダウンの着こなしを楽しんでみてください。
実際のところ、フィルパワーについては公表していない商品もありますが、ゼビオなど、アウトドアをカバーしているスポーツショップで探せば、わかりやすく表記してあることも多いです。
オンライン限定クリアランスセール開催